心拍数の正常値とは?心拍数に異常がみられる原因と改善ポイント

高齢者の心拍数を測る

心拍数は、健康状態を把握する上で重要な指標です。
心拍数や脈拍数は心臓を中心とした循環器系の異常の早期発見、予防につながります。
今回は、心拍数に異常が見られる原因やそれによって引き起こされる疾患、生活習慣の改善ポイントをご紹介します。

心拍数とは?

心拍数とは、心臓が1分間に何回拍動するかを表す指標で、安静時における正常値は60〜100回程度です。
心拍数と脈拍数は通常ほぼ同じですが、不整脈の場合は心臓の拍動(心拍)と動脈の拍動(脈拍)が一致しないことがあります。

正常な心拍数である100回を超える状態を「頻脈」といいます。
脈拍が120回以上の場合は何らかの疾患が疑われるため、専門医よる検査をおすすめします。

心拍数の正確な測定は健康管理や医療診断の要です。
頻脈や異常な心拍数は心臓や血管に関するさまざまな問題の兆候であることが多く、早期対策と治療が重要になってきます。 身体活動やストレスなどの要因で変動する心拍数は、活動量、心臓や血管、身体の状態を把握する手がかりになります。

高齢者の心拍数(脈拍)正常値、不整脈とは?

高齢者の脈拍の正常値は通常50〜70回/分で、成人の脈拍に比べるとやや低いです。
高齢者は一般的に活動量や代謝が低下しているため、体内の酸素消費量が低下しています。心臓がそれほど速く動かなくても体に必要な酸素を供給できるため、心拍数が低下するのです。

特に高血圧や動脈硬化、糖尿病、心臓病などの持病を抱えている高齢者は心拍数と脈拍数が一致しないことが少なくありません。 脈拍は日常動作や病気によっても変化しやすい数値のひとつであり、食事、運動、入浴などの刺激でも変化します。

脈拍の測定をおこなう際はできるだけリラックスした状態で、手首の親指側を通る橈骨動脈(とうこつどうみゃく)を軽く押さえて、1分間の脈拍を測りましょう。

困難な場合、反対側の腕で再度測定することが推奨されます。 高齢者の脈拍は健康状態や日常生活の影響を受けやすいため、日々のバイタルチェックや定期的に医師の診断を受けることが重要です。

脈拍の測定
脈拍の測定

不整脈とは?

不整脈は、心臓のリズムが乱れている状態であり、脈が乱れ過剰に速くなったり、不規則になったりする症状をいいます。

不整脈の一種である心室細動は、心室の不規則な収縮により急速な心拍や脈拍の異常が生じ、血液の正常な送り出しを阻害します。いわゆる心停止状態のことです。

心室細動が疑われる場合は迅速な対応が不可欠です。その場合の処置として、AED(自動体外式除細動器)を使用することがあります。AEDは、心臓が痙攣(けいれん)し、血液を流すポンプの機能を失った状態(心室細動)になった際に、電気的なショックを与えて正常なリズムに戻すための医療機器です。

不整脈は薬物療法や植込み型除細動器(ICD)を用いることで抑制、管理できます。

植込み型除細動器は心室頻拍・心室細動に対して使用し、ペースメーカーは徐脈性不整脈(脈が遅くなる不整脈)に使用します。

AED(自動体外式除細動器)
AED(自動体外式除細動器)

高齢者の不整脈は早期発見、適切な治療が重要です。 心拍数が高いと感じる場合は医師に相談し、適切な診断を受けましょう。

心拍数が高いとリスクが上がる疾患や症状

心拍数が高い場合に考えられる主な疾患を5つ挙げます。

  1. 心房細動
    脈が速く打つ場合に見られる不整脈です。
    動悸や息切れ、めまいなどの症状が現れ、心不全や脳梗塞のリスクが高まる可能性があります。
  2. 心筋梗塞
    冠動脈の狭窄によって心筋が壊死する疾患です。
    脈拍の異常や胸痛、息切れなどの症状が見られ、動脈硬化や高血圧、肥満などのリスク因子が関与します。
  3. 狭心症
    特に動脈硬化が原因です。
    冠動脈の狭窄によって血流が悪化し、脈拍の異常や胸痛、息切れなどの症状が現れます。
  4. 貧血
    血液中のヘモグロビン量が減少し、血液が薄くなることで脈が速くなります。 動悸や息切れ、めまい、倦怠感などが見られます。
  5. 甲状腺機能亢進症
    バセドウ病などが該当します。
    甲状腺ホルモンの異常分泌によって交感神経が刺激され、頻脈や不整脈が起こる場合があります。
胸を抑える男性

生活習慣の改善ポイント

心拍数を正常に保つために、日常生活で留意すべき点は、以下の通りです。

  • 適度な運動
  • ストレス管理
  • バランスの取れた食事
  • 規則正しい睡眠
  • 今すぐ禁煙を

過度な運動やストレスは心拍数を上昇させやすいです。
趣味に没頭し、リラックスや深呼吸をしてストレスを軽減させましょう。
また、塩分やカフェイン・アルコールの過剰摂取は、心拍数を上昇させる可能性があるため、バランスの取れた食事を心掛けてください。

規則正しい睡眠環境を整え、心拍数を上昇させる要因である睡眠不足や不規則な睡眠などを改善することが大切です。
心拍数の上昇を抑えるためには、心臓に負担をかける喫煙も避けなくてはなりません。

まとめ

心拍数の正常値や高心拍数の原因とリスク、生活改善のポイントをお伝えしました。

心臓を中心とした循環器系の健康維持には、適切な生活習慣やストレス管理が重要です。
心拍数の正常値を知り、健康管理に役立ててください。

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