入れ歯の種類と特徴|メリット・デメリットや保険・自由診療についても解説

むし歯や歯周病で歯を失った場合、多くの方が入れ歯の使用を検討されます。しかし、入れ歯にはさまざまな種類があり、どれを選ぶか迷うこともありますよね。
今回は、入れ歯の種類や特徴、メリット・デメリットなどについて解説しますので、参考にしてみてください。
目次
入れ歯の役割とは?
入れ歯は単なる見た目の改善だけでなく、私たちの健康と生活の質を支える重要な役割を担っています。
入れ歯とは、歯を失った部分を補う人工の歯のことで、大きく分けて「総入れ歯」と「部分入れ歯」の2種類があります。適切な入れ歯を使用すれば、食事をしっかりと噛んで味わえるようになり、栄養バランスの整った食生活を送ることができます。

総入れ歯の基本的な特徴
総入れ歯は、上顎または下顎すべての歯を失った場合に使用する入れ歯(義歯)です。歯ぐきにぴたっと密着するようなつくりで、口腔内の形状に合わないと外れやすいという特徴があります。
種類は、保険適用のプラスチックの総入れ歯から、自由診療による高品質な総入れ歯までさまざまな選択肢があります。
【保険適用】従来型レジン床義歯
床(歯の土台となる部分)に歯ぐきのようなピンク色のレジン(プラスチック樹脂)を使用しています。総入れ歯の種類の中で最も一般的なタイプです。

【メリット】
- 費用が比較的安価(自己負担は1〜3割)
- 調整や修理が保険適用で可能
- 作り直しが簡単
【デメリット】
- 耐久性がやや劣る(3〜5年程度での交換推奨)
- 違和感を感じやすい
- 経年劣化でレジンが変色する
【保険適用外】金属床義歯
金属床義歯は、入れ歯の床の部分を金属で作った入れ歯です。コバルトクロム、チタン、プラチナなどの素材が多く用いられています。

【メリット】
- 耐久性が高い(7〜10年程度)
- レジン床より薄いため装着感がよい
- 破損しにくい
【デメリット】
- 保険適用外のため高額
- 重さを感じやすい
- 金属アレルギーの方は使用できない
【保険適用外】シリコン義歯
歯ぐきに触れる部分にやわらかいシリコン素材を使用した入れ歯のことで、咀嚼による衝撃を軽減できるため、普通の入れ歯よりよく噛めるのが特徴です。
【メリット】
- 粘膜への負担が少ない
- 痛みを感じにくい
- 装着感がよい
【デメリット】
- 保険適用外のため高額
- 経年劣化が比較的早い
- 定期的なメンテナンスが必要
部分入れ歯の基本的な特徴
部分入れ歯は、歯ぐきに接する床に、歯の代わりとなる人工歯が取り付けられています 。そして、残っている歯に「クラスプ(留め具)」とよばれる金具を引っ掛けることで入れ歯を支えるしくみです。
総入れ歯同様に、保険適用の部分入れ歯から自由診療による高品質な部分入れ歯があります。
【保険適用】クラスプ義歯
保険適用の場合、人工歯と入れ歯の床はレジン、クラスプ部分は金属でできた入れ歯になります。
残っている歯が1本でもあれば装着可能で、調整や修理も保険適用でおこなうことができます。

【メリット】
- 費用が比較的安価(自己負担は1〜3割)
- 調整が容易
- 着脱が簡単
【デメリット】
- 金属のクラスプが目立つ
- 残存歯に負担がかかる
- 装着時に違和感を感じやすい
【保険適用外】ノンクラスプデンチャー
ノンクラスプデンチャーは金属のクラスプの代わりに歯ぐきの色に似た樹脂を使っています。歯が見える状態で笑ったり、話したりした場合でも入れ歯に気付かれにくく、審美性が高いのが特徴です。
保険適用の部分入れ歯よりもしっかりと歯ぐきにフィットするため、金具や締め付けが苦手な方にも向いています。

【メリット】
- 金属アレルギーの心配がない
- 自然な見た目
- 軽量で装着感がよい
【デメリット】
- 保険適用外のため高額
- 破損しやすい
- 修理も保険適用外
【保険適用外】精密部分入れ歯
テレスコープ義歯ともいい、残っている歯を削り、その上に金属製のカバーを設置して、入れ歯を固定します。
クラスプがなく歯に被せるタイプの入れ歯のため、入れ歯だと気付かれたくない方にもおすすめです。
【メリット】
- 残存歯への負担が少ない
- 装着感がよい
- 安定性が高い
【デメリット】
- 保険適用外のため高額
- 製作に時間がかかる
- 調整が難しい
【保険適用外】マグネット義歯
マグネット義歯は、自身の歯やインプラントの歯に金属を埋め込み、マグネットで入れ歯の吸着を安定させるタイプの入れ歯です。
【メリット】
- 着脱が簡単
- 安定性が高い
- 自然な見た目
【デメリット】
- 保険適用外のため高額
- 年数が経つと磁石の維持力が低下する
- 金属アレルギーの心配がある
入れ歯を快適に使用するためのポイント
入れ歯を快適に使用するためには、歯科医院での定期的な調整が重要です。特に新しい入れ歯に慣れるまでの期間は、何度か細かな調整が必要となる場合があります。
調整しても入れ歯が合わないと感じた際は、以下のポイントを参考にしてください。
他の入れ歯やインプラントを検討する
入れ歯が合わないと感じた場合は、すぐに歯科医院に相談し、必要に応じて他の種類の入れ歯への変更を検討しましょう。
また近年では、顎の骨に人工歯根を埋め込むインプラント、失った歯の両隣の歯に人工歯を固定するブリッジなど、入れ歯以外の選択肢も増えています。入れ歯にこだわらず、それぞれの特徴やメリット、費用などを比較検討した上でよりよい選択をしてください。
専門家に相談する
入れ歯に悩んでいるが寝たきりやお体が不自由などで、すぐに歯科医院へいけないという方は、ケアマネジャーに訪問歯科のアドバイスなどをもらうことができます。
また、入れ歯について痛みや不快感がある場合は、我慢せずにかかりつけの歯科医院やケアマネジャーなどにすぐに相談することが大切です。
歯科医院や専門家の口腔ケアを受ける
入れ歯を快適に使用し続けるには、口腔内を清潔に保つための適切なケアが欠かせません。歯科医院や訪問歯科でしっかりとした口腔ケアを受けましょう。
また、セルリアが運営する「トータルリハセンター」では、歯科衛生士による専門的な口腔ケアや口腔機能訓練を受けることができます。定期的なケアで口腔内を清潔に保つために、ぜひご相談ください。
訪問看護でも言語聴覚士(ST)による、話す・食べることに関するリハビリや訪問歯科へつなぐことができますので、ご自身でのケアが難しい方もご安心ください。
お気軽にお問い合わせください。043-273-5024営業時間 9:30-18:30 [ 土日・祝日除く ]
お問い合わせ・資料請求 お気軽にお問い合わせください。入れ歯選びで重視するポイント
入れ歯を選ぶ際は、以下のポイントや日常生活での使い勝手、費用や手間など長期的な使用を見据えて選ぶようにしましょう。
- 口腔内の状態
- 生活スタイル
- 予算
- 機能面
- 審美性
- メンテナンスの手間
- 耐久性

また、インプラントやブリッジなど、入れ歯以外の選択肢と比較することも大切です。
例えば、ブリッジは費用は比較的安価ですが、人工歯を支える両隣の健康な歯を削る必要があるため、長い目で見ると他の歯の健康にも影響を与える可能性があります。
インプラントは、歯を削ることがなく、入れ歯のような不安定感が少ないという利点がありますが、自由診療のため入れ歯やブリッジよりも費用がかかる場合があります。
一度処置をすると元に戻せない治療もあるため、ご自身のライフスタイルや予算に合わせて、最適なものを選ぶことが重要です。
まとめ
口腔の健康と全身の健康は深いつながりがあります。入れ歯は、歯を失ったあとの私たちの生活の質を大きく左右する重要な役割を果たしています。そのため適切な入れ歯を選択し、継続的なケアで快適な生活を維持しましょう。
口腔の健康についてお悩みの方は、ぜひ口腔ケアに特化したリハビリ型デイサービス、「トータルリハセンター」にご相談ください。
口腔の健康の維持向上なら「DSセルリア」
当社では、訪問看護とリハビリ型デイサービスを提供しています。
「トータルリハセンター(TRC)」では、機能訓練などに加え、摂食・嚥下機能訓練や口腔清掃、口腔機能向上のためのプログラムなど多角的に日常生活動作(ADL)の維持・改善に取り組んでいます。
「DS訪問看護ステーション」では、病気や障害のある方が住み慣れた地域やご自宅でその人らしい暮らしができるよう、看護師や理学療法士・作業療法士などがご自宅に訪問して、その人にあった看護やリハビリテーションを提供します。
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DSセルリア株式会社では、東京・千葉エリアにリハビリ型デイサービス「トータルリハセンター」や訪問看護ステーションを設け、地域に根ざした「訪問看護・リハビリテーションサービス」を提供しています。
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