高齢者の困っていることランキングTOP10!困りごとの対処法を解説

年齢を重ねると、今まで当たり前にできた日常動作にさまざまな困りごとが生じます。将来に漠然と不安を抱える高齢者や、より高齢者に寄り添った介助をしたいと考える方もいるでしょう。
今回は、高齢者が日常生活の中で悩む課題をランキング形式で紹介し、解決策もお話しします。
目次
高齢者の困っていることランキング
本記事のランキングは、自治体がおこなう「介護予防・日常生活圏域ニーズ調査」を基にした、ニッセイ基礎研究所の集計を参考にしています。
ランキングの上位に挙がっているほど、高齢者が日常生活の中で不便を感じているお悩みであることが考えられます。
特に、移動手段や毎日の食事・調理は、思い煩う高齢者が多いようです。それぞれの傾向を10位から順にご紹介します。
参考:ニッセイ基礎研究所|高齢者の生活ニーズのランキング首位は移動サービス
10位:困りごとの相談窓口
高齢者は自分の悩みを周囲に打ち明けることができず、溜めこんでしまう人が多い傾向にあります。
高齢者の25〜35%程度が「親しい友人がいない」と回答しています。
悩みを打ち明けられる環境がないと慢性的なストレスを感じ、気落ちやうつを引き起こす場合もあるため、周囲と積極的にコミュニケーションをとるよう心掛けることも大切です。

友人、家族の他に行政やケアマネジャーなど、自分自身の相談窓口を設けるようにしましょう。
9位:介護・看護サービス
入居待ち、費用負担の重さ、慣れない環境でのストレスなどは、高齢者の困りごとです。
バリアフリー施設や介護スタッフの不足により、受け入れ態勢の整備が不十分なうえ、施設系サービスは要介護認定を受けた人が対象となるため、認可外の元気な高齢者が入居できる施設数の増加も望まれています。
訪問看護なども、利用方法がわからない高齢者や要介護者が多くいるのが現状です。

8位:配食や弁当配達
高齢者にとって、配食や弁当配達も悩みのひとつです。
配食サービスを希望する人は多いものの、外食やスーパーなどの惣菜・弁当と比較して、実際の利用は非常に少なくなっています。
調理の問題を解消するために配食や弁当配達を検討しても、自分が住むエリアに利用できるサービスがあるか、どこを選べばいいか悩む人が多くいます。

7位:掃除
高齢者は加齢に伴う足腰の痛みにより、しゃがんだり腕を上げたりする動作が困難になり、簡単な掃除の動作も大きな負担となります。
また、視力の低下により部屋の汚れやホコリに気付きにくいことや、身体機能の低下によって動きがゆっくりになることから、掃除に時間がかかるようになります。

ひとり暮らしの場合は、部屋をキレイに保つモチベーションを持続しづらくなることも、掃除をお困りごとに挙げる理由のひとつです。
6位:見守り・安否確認・声掛けの不足
万が一の事態が起こったとき、すぐに気付いてくれる人がいないことも高齢者にとっての困りごとです。
ひとり暮らしの場合は特に、急な体調不良や転倒時の発見が遅れやすく、重大な事案につながる恐れがあります。
また、聴覚や平衡感覚が衰えた高齢者は、地震や火事などにも気付くのが遅れてしまう場合も想定されます。

5位:調理
食事は1日3食、1か月で約90回、1年で1,000回にも上ります。
また、食事の準備には、栄養バランスの良い食事にするための献立の考案や材料の下ごしらえ、使用した調理器具や食器の洗浄など、多くの工程を要します。

料理が苦手な方やつくるのを負担に感じる方は、お総菜やインスタント食品に頼りがちになるため、栄養バランスの偏りも懸念されます。
4位:話し相手・友人関係などを通じた交流の場
仕事や子育てが一段落した高齢者は、社会とのつながりが希薄になってしまう場合があります。
交流の機会が減少すると気力や思考力が低下し、さらに会話の機会も減少するため、声帯や口腔機能も衰えてしまうことが多いです。
これにより、人との会話にさらに消極的になり、閉じこもりがちになるなど、心身に悪影響を及ぼすことがあります。

ひとり暮らしの高齢者は特に、他者との交流が希薄になりやすく、孤立状態に陥ることがあります。これは、社会から取り残されたように感じる不安を引き起こすなど、精神的にも大きな影響があるため注意が必要です。
3位:家の改修・修繕の費用や模様替え
家の修繕やバリアフリーへのリフォームは、生活の利便性向上において欠かせません。
リフォーム費用は規模や間取りによって異なりますが、一般的には10〜100万円程度かかります。ただし、要支援・要介護認定に該当する方には補助金が支給される場合があるため、上手に活用しましょう。

また、転倒防止や生活動線を確保するための、タンス・棚・テレビなどの重くて大きい家具や家電の移動は、体力や筋力の衰えた高齢者にとって大きな負担になります。
2位:買い物・移動販売・薬の受け取り
買い物などは外出の動機になりますが、高齢者が買い物に行く場合、重いものやかさばるものは持ち運びが大変です。
例えば、高齢者の多くは2~3日に一度の買い物や1〜2週間に一度の通院が必要な場合があります。近年はネットスーパーのサービスが充実しているものの、スマートフォンやパソコン操作に不安がある方にとっては大きなハードルです。

また、移動販売はコミュニケーションの手段としては有用ですが、品揃えや訪問頻度が十分でない場合も考えられます。
1位:送迎や公共交通機関の利便性
高齢者の困っていることランキングで、最も多く挙げられたのは「送迎や公共交通機関の利便性」です。
運転免許証の自主返納が推奨される中、地方に住む高齢者の50〜70%近くの移動手段はいまだ自家用車のままです。

ご自宅からバス停や最寄り駅が遠い地域では、筋肉や体力が低下した高齢者は、特に不便を感じやすくなります。通院や買い物など、生活に直結する移動手段の確保は、地方に住む多くの高齢者における共通の課題といえます。
高齢者の困りごとへの対処法
高齢者の困りごとへの対処法として、以下が挙げられます。
- ウォーキングや体操など適度な運動の習慣化
- デイサービスなどの利用
- 行政への相談など高齢者向けサービスの活用
筋力や体力の衰えを緩やかにし、自分でできることを減らさなければ、生活の質の維持・向上が期待できます。
ウォーキングや体操を日常的に取り入れるためには、近所の公園で毎朝の散歩をするなどの習慣作りをしましょう。しかし、一人では続かない、方法がわからない場合は、孤立感の解消にデイサービスや居住系介護サービスが有効です。
おしゃべりやレクリエーションなどを通じて楽しみながら、体も心も健康的な生活を送れます。
また、デイサービスは送迎サービスがあるため、移動の心配がありません。さらに、栄養バランスやカロリーを考慮した高齢者向けの配食の利用は、食事の準備の手間削減につながります。
お住まいの地域で利用できる配食サービスは、自治体の地域包括支援センターなどで相談が可能です。
食事や清掃など自宅での支援を求めるのであれば、訪問看護や高齢者向けの出張サービスの活用も検討すべき手段のひとつです。
デイサービスや訪問看護について詳しく知りたい方は、こちらの記事も併せてご参照ください。
まとめ
高齢者の悩みを減らすには、日常的な運動で体力低下や気落ちを防ぎ、社会との関わりを絶やさないことが重要です。社会とのつながりを持ちながら、仲間と楽しく運動できるデイサービスの活用は、効果的です。
また自宅で過ごす高齢者は、生活の負担軽減や孤立状態の抑止にもなる訪問看護を利用するのもおすすめです。高齢者が安心して快適な日々を過ごせるよう、ぜひ本記事を参考にしてください。
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