介護について理解を深める、11月11日は「介護の日」

理学療法士と高齢者

2008年(平成20年)に厚生労働省が「国民に介護の啓発を実施する日」として、毎年11月11日を「介護の日」としたものです。日付は、介護の日のキャッチコピー「いい日、いい日、毎日、あったか介護ありがとう」の「いい日、いい日(11月11日)」にかけた覚えやすく、親しみのある語呂合わせから。今回は「介護の日」の由来や背景などについてご紹介します。

「介護の日」にはさまざまなイベントが行われます

「介護の日」の前後2週間にかけて行政や企業が各地で、下記のようなさまざまな啓発活動を行なっています。
また、介護施設で「介護体験教室」や「介護セミナー」などのイベントを実施している事業所もあります。介護への興味・関心をもっていただき、理解を深めていただくための取り組みです。

  • 絵画・作文・川柳などの募集
  • 映画や動画のオンライン公開
  • フォーラムやイベントの開催
  • ライトアップ(お城や施設)
  • 介護や福祉のお仕事紹介、体験イベントなど

《出典》

11月11日のライトアップ

大阪では大阪城天守閣や太陽の塔、あべのハルカスといった施設がブルーに、熊本城天守閣はグリーンにライトアップされます。ライトアップの時間などは各自治体のHPをご確認ください。

「介護の日」が誕生した背景について

総務省統計局2022年のデータでは、2021年に比べ日本の総人口が82万人減少している一方で、65歳以上の高齢者人口は、3,627万人と過去最多となっていることがわかりました。
また、団塊の世代の方々がすべて75歳となる2025年には、75歳以上の人口が全人口の約18%となり、2040年には65歳以上の人口が全人口の約35%となると推計されています。
さらに、日本の世帯構成については、単身世帯・高齢者単身世帯・1人親世帯ともに今後も増加することが予想され、単身世帯は2040年で約40%に達する見込みというデータも発表されています。
このような少子高齢化の影響により、要介護認定者の増加と介護従事者の不足が懸念されるため、介護職や福祉職の仕事を “やりがいのある魅力的な職業” と伝えるために「介護の日」が誕生しました。

介護生活、がんばりすぎていませんか?

「介護の日」については「がんばらない介護生活を考える会」も『国民全体が介護について考える日となるように』と、さまざまな活動を行なっています。

介護と上手につきあっていくための「がんばらない介護生活」

介護する側にも受ける側にも過度の負担を強いずに、肩の力を抜いて、介護と上手につきあっていくための「新しい介護の価値観」「介護生活チェックシート」や介護生活に役立つ「がんばらない介護生活5原則」が公式サイトで紹介されています。

がんばらない介護生活5原則
  • 1人で介護を背負い込まない
  • 積極的にサービスを利用する
  • 現状を認識し、受容する
  • 介護される側の気持ちを理解し、尊重する
  • 出来るだけ楽な介護のやり方を考える

《出典》

まとめ

「介護の日」は介護についての理解や知識を深め、介護サービスを利用している方・介護従事者などを支援するとともに、これらの人たちを取り巻く地域社会における支え合いや交流の促進を目的としています。
また、「介護をがんばりすぎていませんか?」と「がんばらない介護生活を考える」ことも提案しています。
介護に携わる方だけでなく一般の方々にも介護に関する知識や理解、認識を深めてもらいたいという思いが込められた日です。気軽に参加できるイベントがあれば、家族や友人を誘って出かけてみましょう。

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TRC