老人臭の原因は口臭?高齢者のお口の健康を守ろう
口臭は加齢によるものと諦めてはいませんか?
口臭は自覚しにくく人に伝えにくい問題ですが、原因を特定してケアをすることで、予防と対策ができます。
今回は、高齢者の口臭の原因や、口臭の予防対策についてご紹介します。
目次
老人臭の原因でもある口臭
老人臭と呼ばれる独特の体臭は、年齢とともに増加します。
主な原因は、皮脂と汗腺の活動の変化や、皮膚表面の微生物の増殖、食生活や生活習慣の影響が挙げられます。
一般的にはあまり知られていませんが、口臭も老人臭の原因のひとつです。
高齢者の口臭の原因
高齢者の口臭の主な原因は次のとおりです。
唾液の減少
唾液には口腔内の細菌を死滅させる役割がありますが、分泌量が減ると効果が低下し、口臭の原因物質が増加します。
唾液の分泌が減少する原因は、病気の症状によるものや、医薬品の副作用で起こる場合もあります。
病気や治療で処方された医薬品が原因で唾液の分泌が減少している可能性がある場合は、医師へ相談し、指示に従うことが大切です。
不十分な歯磨き・入れ歯の手入れ
歯磨きが不十分であると、歯垢や歯石が歯の表面に付着し、細菌の繁殖を促進します。
口腔内で細菌が増えると、硫化水素などの揮発性化合物が生成され、口臭の原因につながります。
また、入れ歯の手入れが不十分であることも、原因のひとつです。
入れ歯の表面には食べかすや細菌が付着しやすく、しっかりと清掃をしないと、細菌が繁殖するため注意が必要です。
むし歯や歯周病
むし歯や歯周病、口内炎といった口腔内の疾患は口臭の原因となります。
これらの疾患が進行すると、口臭の発生につながるだけでなく、健康な歯を失うリスクが伴うので、早めに歯科医院で治療を受けることが大切です。
胃腸機能の低下
加齢による胃腸機能の低下も口臭の原因となります。
胃腸で発生したガスが吸収されて血液中に混ざり、肺を通して出た息が口臭となる仕組みです。
胃腸機能が低下する原因は、胃腸の老化や運動不足です。
胃腸が十分に働かないと食べ物が異常に発酵し、口臭を悪化させるリスクが高まります。
生理的口臭と病的口臭
口臭は、生理的口臭と病的口臭の2つに分類されます。
病的口臭
病的口臭は、病気が原因の口臭です。
むし歯や歯周病などの口腔の病気由来による口臭と、全身由来の消化器系(例:胃潰瘍、胃腸の疾患)や呼吸器系(例:扁桃炎、副鼻腔炎)、代謝異常(例:糖尿病)などの病気による口臭があります。
病気が口臭を発生させる場合、臭いが持続しやすいため、口腔ケアや生活習慣の見直しだけでは、なかなか改善しません。
口臭が改善されない場合は、医師や歯科医師に相談して原因を特定して治療をしましょう。
口臭予防
気になる口臭の予防対策は次のとおりです。
口腔ケア
口臭を予防するためには、口腔内を清潔に保つことが大切です。
ご自身に合った歯ブラシと歯磨き粉を使用し、1日2〜3回、歯を磨きましょう。
舌や歯茎など口腔内全体をブラッシングすることで、細菌の繁殖を抑えます。
歯間ブラシやフロスを使って歯と歯の間を掃除することや、洗口剤を使用することもおすすめです。
歯科医院や訪問歯科診療を利用し、定期的に口腔内の清掃をしてもらうことも有効です。
唾液の刺激
口臭予防には唾液の分泌を増やすことが有効です。
唾液の分泌を促進する方法は次の通りです。
こまめな水分補給
唾液には食べかすを洗い流したり、細菌の繁殖を抑える作用がありますが、唾液の分泌が減少して口腔内が乾燥してしまうと、口臭が発生しやすくなります。
そのため、水をこまめに飲み、唾液の分泌を促進することが大切です。
ただし、以下の飲み物は口臭の原因になるため、摂取は控えましょう。
コーヒー
コーヒーに含まれるカフェインの利尿作用により水分の排出を促すことで口腔内が乾燥し、口臭が発生します。
また、カフェインは交感神経を刺激し、ネバネバした唾液を増やすため、口臭を発生させます。
ジュース類
炭酸飲料・スポーツ飲料水などに含まれている大量の砂糖を摂取すると、口腔内の細菌が活性化し、むし歯や歯周病などの原因になります。そのため結果的に、口臭へとつながることもあります。
アルコール類
アルコールには利尿作用があり、水分が排出されることで唾液の分泌量が減り、口臭が発生します。
食事を抜いてアルコールを摂取すると、アルコールの分解に時間がかかってしまい口臭が長引く恐れがあるため注意が必要です。
よく噛んで食べる
よく噛むと、唾液が分泌されます。
噛む回数が少なかったり、柔らかいものばかりを食べたりすると、唾液の分泌量が減少し、口腔内に食べかすが残り細菌が繁殖して口臭が発生するので、注意しましょう。
ガムを噛むと唾液が分泌されやすくなるので、おすすめです。
1日3食を規則正しく食べる
食事を抜いて空腹状態が持続すると、唾液の分泌が促進されないため、口臭が発生しやすくなります。
朝昼晩の3食を規則正しく摂りましょう。
食事にレモンや梅干しを取り入れると、歯を酸から守ろうとする作用が働いて、唾液の分泌が促進されます。
鼻呼吸を意識する
口呼吸をすると口腔内が乾燥するため、鼻呼吸を意識しましょう。
口呼吸は、唾液の循環を妨げて抗菌作用が低下し、むし歯や歯周病、口臭の原因になります。
唾液腺をマッサージする
唾液腺のマッサージは唾液の分泌を促し、口腔内の乾燥と口臭を防ぎます。
以下では、3つのマッサージ方法を部位ごとにご紹介します。
耳下腺マッサージ
耳下腺は、耳の前方(上奥歯の辺り)に位置する唾液腺です。
両頬の同じ位置に2〜4本の指を当てて、後ろから前に向かって円を描くように、優しく10回程度クルクルと動かして刺激しましょう。
舌下腺マッサージ
舌下腺は、下顎の先端に位置するくぼみの部分に分布する唾液腺です。
両親指をくぼみに当て、ゆっくりと上向きに10回程度押して、マッサージしましょう。
顎下腺マッサージ
顎下腺は、顎の内側に位置する唾液腺です。
顎の骨の内側にある柔らかい皮膚の部分を、耳の下から顎先に向かって5か所程度、順番に5回ずつ指で軽く押していきましょう。
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