高齢者向けおむつとは?できることや注意点、選び方について

高齢者が安心して自分らしい生活を続けるには、排泄の悩みに適切なケアをおこなうことが大切です。高齢者向けの介護おむつを正しく選び、取り入れることは、高齢者の尊厳を守るだけでなく、介護するご家族さまの身体的・精神的な負担を軽減することにもつながります。
この記事では、高齢者向けの介護おむつについて、できることや注意点、選び方などをご説明します。
目次
高齢者向けの介護おむつとは?
高齢者向けの介護おむつとは、加齢や病気などにより排泄の自立が難しくなった高齢者が使用する介護用品です。
トイレに間に合わず失禁が増えた方や、移動が困難な方、寝たきりの状態にある方など、さまざまな排泄の悩みを持つ方が使用します。

介護おむつの役割
介護おむつは、すべての高齢者の排泄を代替するものではありません。自力でトイレに行ける高齢者の場合は、必要な場面のみを補う「補助用品」として活用することが大切です。トイレで排泄する機会を保つことは、排泄機能の維持や生活リズムの安定につながり、高齢者の自尊心を守ることにもつながります。

夜間の頻繁なトイレへの移動や外出時の不安など、トイレでの排泄が難しい場面も少なくありません。そのような場合に介護おむつを適切に取り入れることで、失禁への不安を軽減し、転倒リスクの低下や介護者の負担軽減が期待できます。
また、移動が難しい方や寝たきりの方にとっては、介護おむつを適切に使用することで身体を清潔に保ち、かぶれなどの皮膚トラブルの予防が期待できます。
排泄介助については以下の記事で詳しく紹介しています。
自力で排泄できる高齢者などには、おむつを取り入れつつも、トイレで排泄する機会も保持しましょう。
高齢者がおむつを使うことで「できること」
介護おむつを適切に取り入れることで、排泄に対する不安が軽減され、高齢者本人と介護者の双方が、より安定した日常生活を送りやすくなります。
外出や活動を続けやすくなる
失禁の心配が減ることで、デイサービスや趣味の集まりなどに参加しやすくなります。これにより、社会とのつながりを保つことができ、生きがいや健康の維持・増進にも良い効果が表れます。

転倒リスクを抑えられる
足腰が弱っている方や歩行に困難がある方は、自分だけでトイレへ移動すると転倒のリスクがあります。
特に夜間は暗い中での移動となり、事故のリスクが高まります。そこで、介護おむつを使用することで、夜間のトイレへの移動機会が減り、転倒やケガのリスクを軽減できます。
介護者の負担が軽くなる
排泄のタイミングは予測できず、介護をする人にとって身体的・精神的な負担になることがあります。特に、夜間のトイレへ付き添う場合は睡眠時間が削られることもあるため、負担が掛かることも少なくありません。
おむつを使用することで、夜間の排泄介助の回数が減り、介護者の睡眠時間の確保にもつながります。
寝具や衣類を清潔に保ちやすくなる
排泄に失敗してしまった場合、夜間や忙しい時間帯でも、掃除や着替えなどの対応が必要になります。しかし、介護おむつを使用することで、汚れを防ぐことができるため、洗濯や掃除などの手間を軽減できます。
その結果、介護者の負担が減るだけでなく、高齢者の清潔が保たれ、感染症や皮膚トラブルを防ぐことにもつながります。
使用前に知っておきたい注意点
介護おむつは、使い方を誤ると高齢者ご本人にとっての不快感や身体的な負担だけでなく、介護者側の介助負担や精神的な負担につながることもあります。
適切な介護おむつ選びや声掛け、清潔管理を心掛けることで、以下のような注意点の多くは軽減できます。そのため、事前に注意点を知っておくことが重要です。
●合わないおむつは皮膚トラブルにつながる
サイズや素材などが合わない介護おむつは、蒸れや皮膚のふやけを引き起こし、褥瘡(床ずれ)の一因になることがあります。
ポイント
体型や排泄量に合ったサイズ・吸収量のものを選び、肌に触れる部分の素材(通気性、やわらかさなど)にも配慮しましょう。
●ご本人の心理的な抵抗感への配慮
おむつの着用に強い抵抗や羞恥心を感じる方も多く、無理に進めると精神的なストレスにつながる場合があります。
ポイント
ご本人の気持ちを尊重し、理由を説明した上で「目立たないものを選ぶ」「必要なときだけ使う」など選択肢を提示すると受け入れられやすくなります。

●使用後の処理や臭い対策
使用済みおむつの処理方法や臭いへの対策が必要です。
ポイント
臭いが漏れにくい袋を使い、できるだけ早く密閉して処分することが基本です。室内に一時保管する場合は、保管場所や換気なども整えましょう。
介護おむつの種類と基本的な選び分け
介護おむつは、アウター(外側のおむつ)とインナー(内側の尿とりパッド)を組み合わせて使用するのが一般的で、高齢者の身体状況や生活スタイルに応じた選び分けが重要です。
アウター(外側のおむつ)
介護おむつのアウターには、大きく分けて4つのタイプがあります。
アウターを選ぶ際は、高齢者の「動けるかどうか」「介助が必要かどうか」を基準に選ぶと、無理のない排泄ケアにつながります。
| タイプ | 特徴 | 適している方 |
|---|---|---|
| パンツ型(リハビリ型) | ・伸縮性のあるウエストゴムで下着のような装着感 ・サイドを破って交換可能 | ・歩行や立位が可能な方 ・トイレでの自立排泄を基本とした高齢者 |
| テープ止め型(開閉式) | ・背部のシャーリング構造で身体にフィットしやすい ・再貼付可能なクロス止めテープで微調整が可能 | ・寝たきりの方 ・体幹保持が難しい方 |
| 2way型(ハイブリッド) | ・パンツ型・テープ型として使用可能 ・状態変化に柔軟に対応可能 | ・日中は自立歩行、夜間はベッド上での介助が必要など、状況が変化する方 |
| フィルムレス通気型 | ・全面通気シートで蒸れを逃がす設計 ・長時間装着時の快適性を確保 | ・暑い季節に使用する方 ・発汗量が多い方 ・皮膚トラブルが心配な方 |
インナー(尿とりパッド)
インナー(尿とりパッド)は、アウターと組み合わせることで、排泄量や生活スタイルに応じて調整できる役割を持っています。
吸収量で選ぶ
- 軽量タイプ:少量の尿漏れが気になる方や日中の使用に
- 中〜多量タイプ:排尿回数が多い方や夜間の使用に
- 夜間用高吸収タイプ:睡眠中の交換回数を減らしたい場合に
漏れを防ぐ構造に注目する
二重ギャザーなどの立体構造は、横漏れを防ぎやすいため、活動量が多い方でも安心して使うことができます。
臭い対策
防臭ポリマー配合タイプは、排尿後のアンモニア臭を軽減してくれます。
また、臭いを気にして頻繁に交換する必要がないため、介護者の負担軽減にもつながります。
便失禁がある場合の対応
立体ポケット構造の便対策パッドは、軟便をしっかり受け止める構造になっています。これにより、皮膚への付着を防ぐため、皮膚トラブルのリスクが軽減されます。
適切な介護おむつの選び方
適切なおむつを選ぶ第一歩は、排尿パターンや活動量、皮膚の状態を把握することが欠かせません。
ウエストとヒップの最大周径をメジャーで正確に測り、メーカーのサイズ表と照らし合わせて選びましょう。サイズを測る際は、ウエストはおへその位置、ヒップは一番出ている部分を目安に、無理に締め付けず自然な状態で測ります。
使用中に赤みが出る、ずれやすい、横漏れが起きるといった場合は、サイズや種類が合っていない可能性があるため、早めに見直すことが大切です。
また、初めて使用する方には「紙パンツ」「安心パンツ」といった言い換えや肯定的な声掛けをおこない、心理的抵抗感を和らげることも重要です。

介護おむつの助成
介護おむつは、医師の証明があれば、医療費控除の対象となる場合があります。
さらに、自治体によっては要介護認定を受けている高齢者などを対象に、介護おむつの援助をおこなっている場合もあります。制度の内容は自治体ごとに異なるため、お住まいの自治体の福祉担当窓口やケアマネジャーに確認し、保険や福祉制度などの公的助成制度を積極的にご利用ください。

おむつ交換時に大切にしたい尊厳への配慮
おむつ交換は、身体に直接触れるケアであるため、高齢者の尊厳に十分配慮しながらおこなうことが重要です。
声掛けと露出への配慮を忘れない
交換前には必ず声を掛けて同意を得てからおこないましょう。作業中も「今から替えますね」などと声を掛け続け、安心感を与えることが大切です。
また、カーテンやタオルを使い、身体の露出がなるべく少なくなるように配慮しましょう。こうした配慮は、不安や羞恥心を和らげ、安心してケアを受けてもらうことにつながります。
清潔を保ち、できることは本人に任せる
デリケートゾーンはやさしく清潔に保ち、皮膚の状態を確認しながらおむつを交換します。
新しいおむつは身体に無理のない位置で装着し、締め付けが強くないかを確認しましょう。
また、膝を立てるなど可能な動作はご本人に協力してもらい、「自分でできた」という感覚を大切にすることが、尊厳を守るケアへとつながります。

おむつは「生活を支える道具」
高齢者にとって排泄は、尊厳や生活の質(QOL)と深く関わる大切な行為です。
身体状況や生活スタイルに合わせておむつの種類を選び、使い方や声掛けに配慮することで、失禁への不安や介護の負担を軽減できます。
おむつ選びや排泄介助に迷った場合は、専門職へ相談することも有効です。DSセルリアの訪問看護では、排泄ケアや福祉用具の利用相談も可能です。高齢者とご家族さまの生活の質の維持・向上に一緒に取り組んでいます。
高齢者の排泄介助やおむつのことでお悩みの方は「DSセルリア」へ
当社では、訪問看護とリハビリ型デイサービスを提供しています。
「トータルリハセンター(TRC)」では、マシンを使った機能訓練などに加え、摂食・嚥下機能訓練や口腔清掃、口腔機能向上のためのプログラムなど多角的に日常生活動作(ADL)の維持・改善に取り組んでいます。
自力でトイレへ行きたいという目標に合わせてトレーニングをおこなうことも可能です。
「DS訪問看護ステーション」では、病気や障害のある方が住み慣れた地域やご自宅でその人らしい暮らしができるよう、看護師や理学療法士・作業療法士などがご自宅に訪問して、その人にあった看護やリハビリテーションを提供します。
施設見学・ご相談は随時受け付けております
ご自宅での介護に関してお困りのことがございましたら、どうぞお気軽にお問い合わせください。
DSセルリア株式会社では、東京・千葉エリアにリハビリ型デイサービス「トータルリハセンター」や訪問看護ステーションを設け、地域に根ざした「訪問看護・リハビリテーションサービス」を提供しています。
また介護従事職にご興味のある方も、お気軽にお問い合わせください。

