在宅介護の限界とは?家族だけで抱え込まないための対処法

在宅介護 限界

在宅介護は、ご本人が住み慣れた自宅で生活を続けられる一方で、介護を担うご家族に大きな負担がかかることがあります。日々の介護が続くなかで、「もう限界かもしれない」と感じる方も少なくありません。

この記事では、在宅介護の限界とはどのような状態か、限界に近付く理由やサイン、利用できる支援について解説します。

在宅介護は家族に大きな負担がかかりやすい

日本では高齢化が進んでおり、今後も在宅介護は増加すると考えられています。また、住み慣れた自宅で介護を受けたい、できる限り自宅で過ごしたいと考える人もいます。
平成27年版高齢社会白書によると、介護が必要になった場合に「自宅で介護してほしい」と回答した人が最も多く、その割合は、男性42.2%、女性30.2%という結果でした。このように、「できるだけ自宅で過ごしたい」と考える高齢者は多く、在宅介護を選ぶ家庭も少なくありません。

在宅介護 家族の限界

一方で、希望する施設の空き状況や費用、入所条件などの事情によりすぐに入所できず、在宅介護を続けざるを得ないケースもあります。介護が長期化すると、心身や生活への負担が積み重なり、「在宅介護は限界かもしれない」と感じることもあります。

【参考】平成27年版高齢社会白書(概要版)
https://www8.cao.go.jp/kourei/whitepaper/w-2015/gaiyou/pdf/1s2s_3.pdf

在宅介護の限界とは

介護は、必要なときだけ少し手助けをすればよい場合もありますが、要介護度が高くなるほど、見守りや介助にかかる時間は長くなります。
「在宅介護の限界かもしれない」と感じる背景には、介護者の気持ちの問題だけではなく、時間的・体力的・精神的な負担が積み重なっていることが多いです。

在宅介護が限界に近付く主な理由

在宅介護では、次のような体力を使う場面が多数あります。

  • 立ち上がりの補助
  • 移動の補助
  • 排泄介助
  • 入浴介助 など

こうした介助が毎日のように繰り返されることで、腰痛や肩こり、疲労につながり、介護を続けること自体がつらくなる場合もあります。

介助される高齢者

要介護度が高くなると、転倒の予防や認知症による行動への対応、夜間の介護などにより、ご家族の方が目を離せない時間が増えることがあります。睡眠不足や休息不足が続くと、体の疲れだけでなく、気持ちの余裕も失われやすくなります。

介護にかかる時間が増えると、掃除や買い物、食事の準備が後回しになりがちです。
また、仕事の時間を調整しなければならない場面も出てきます。その結果、介護と仕事の両立が困難になり、家族の介護・看護を理由に仕事を辞めざるを得ないなど、介護離職につながるケースも少なくありません。

このように、自分の時間を確保しにくくなることで、生活全体のバランスが崩れやすくなります。

仕事の両立ができない

介護の負担が続くと、「自分が頑張らなければならない」とひとりで抱え込んでしまう方もいます。常に気を張った状態が続くと、イライラや不安が強くなり、日常生活を保つことが難しくなる場合もあります。

在宅介護の限界サインをチェック

在宅介護の負担は少しずつ積み重なるため、介護者自身が限界に近付いていることに気付きにくい場合があります。
次のような状態が続いているときは、家族だけで抱え込まず、早めに支援を検討しましょう。

  • 十分に眠れない日が続いている
  • 介護の時間が長く、自分の時間がほとんど取れない
  • 腰痛や疲労など、体の不調が出ている
  • 家事や仕事に支障が出ている
  • 介護のことを考えるだけで気持ちが重くなる
  • イライラや不安が強くなっている
  • 被介護者への接し方がきつくなってしまう
  • 家族だけでは安全に見守ることが難しい
  • 自分の通院や休息を後回しにしている
  • 「もう無理かもしれない」と感じることが増えている
介護で大変な様子

これらに当てはまる場合は、ご家族だけで支え続けることが難しくなっているサインの可能性があります。無理にひとりで抱え込まず、利用できる支援を取り入れながら、今の負担を少しずつ軽くしていくことが大切です。

ご家族だけで抱え込まないために利用できる支援

在宅介護の負担が大きくなっているときは、ご家族だけで解決しようとせず、外部の支援を利用することも大切です。ここでは、主な相談先や支援サービスを紹介します。

ケアマネジャーや地域包括支援センターに相談する

在宅介護の負担が大きくなっている場合は、まずケアマネジャーに相談してみましょう。
すでに介護保険サービスを利用している場合は、ケアプランを見直し、利用回数やサービス内容を調整できる場合があります。

何から相談すればよいかわからない場合は、地域包括支援センターに相談する方法もあります。高齢者の暮らしや介護に関する相談窓口のため、今のお困りごとを整理するところから相談できます。

ケアマネへの相談

デイサービスやショートステイを利用する

在宅介護の負担を軽くする方法のひとつに、デイサービスやショートステイの利用があります。デイサービスを利用すると、日中の一定時間をご本人が施設で過ごすため、その間、ご家族は休息や仕事、家事の時間を確保しやすくなります。このように、介護するご家族が一時的に介護から離れ、心身を休めるための支援は「レスパイトケア」とも呼ばれます。

デイサービスにはさまざまな種類があり、なかにはリハビリに特化したサービスもあります。リハビリ型デイサービスでは、身体機能や生活動作の維持・向上を目指し、自立した生活を続けるための支援を受けられます。ご本人ができることを維持しやすくなることで、日常生活のなかで必要となる介助負担が軽くなる場合もあります。

デイサービスがどのようなところかは、こちらの記事でご紹介しています。

食事・入浴・宿泊を含めた支援が必要な場合や、介護者がまとまった休息を取りたい場合は、ショートステイの利用も選択肢のひとつです。ご本人とご家族の状況に合わせて、必要なサービスを組み合わせることが大切です。

訪問看護を利用する

在宅介護で病状の変化や服薬管理、医療的なケアに不安を感じた場合などに、訪問看護の利用も選択肢になります。
訪問看護では、看護師などが自宅を訪問し、健康状態の確認や服薬管理、必要に応じた医療処置などをおこないます。

主治医やケアマネジャーと連携しながら支援を受けられるため、ご本人の状態やご家族の負担に合わせた在宅生活を支えやすくなります。専門職に相談できる環境があることで、ご家族の精神的な負担が軽くなる場合もあります。

介助される高齢者

訪問看護についてはこちらの記事でも詳しくご紹介しています。

施設入所も選択肢として考える

支援サービスを利用しても自宅での生活を続けることが難しい場合は、施設入所も選択肢のひとつです。施設では、日常生活の介助や見守りを受けながら生活できます。

ただし、施設の種類や空き状況、費用、入所条件はそれぞれ異なります。すぐに入所できるとは限らないため、ケアマネジャーや地域包括支援センターに相談しながら、早めに情報を集めておくと安心です。

まとめ

在宅介護は、ご本人が住み慣れた環境で生活を続けられるメリットがある一方で、介護を担うご家族に大きな負担がかかることがあります。介護の負担を抱え込み続けると、心身の不調や生活への悪影響が現れる場合もあります。
そのため、限界を感じる前に、ケアマネジャーへの相談や、デイサービス・ショートステイ・訪問看護などの支援を検討することが大切です。

在宅介護に不安や負担を感じている場合は、ひとりで抱え込まず、まずは身近な相談先へ相談してみましょう。

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