春の不調の原因は?寒暖差による春バテの予防と対策

春はあたたかくなりはじめ、植物も芽吹きはじめる季節ですが、同時に多くの方が体調不良を感じる時期でもあります。
疲れやすい、だるさがとれない、食欲が低下するなどの心身に不調をきたすこれらの症状は、「春バテ」の可能性が考えられるでしょう。
本記事では、春バテの原因や症状、予防と対策について解説します。
目次
春バテとは?体が発するSOSサイン
春バテは医学的な病名ではなく、春先特有の気候変化や生活リズムの変化によって引き起こされる体調不良の総称です。
春は1年のうちでも寒暖差が大きいため、体が気温の変化に対応しようと交感神経を活発に働かせます。この交感神経の働きで体の緊張状態が続くと、自律神経が乱れ、春バテの症状が起きやすくなります。
春バテの症状には以下のようなものがあります。
- 全身のだるさ・疲労感
- 食欲不振・胃腸の不調
- 慢性的な頭痛・肩こり
- 集中力の低下・意欲の低下
- 睡眠の質低下

寒暖差疲労による体調不良のメカニズム
急激な寒暖差によって、体に大きな負担がかかることを「寒暖差疲労」と呼びます。朝晩の冷え込みと日中のあたたかさの温度差が、体温調節機能など自律神経を乱す原因のひとつです。
自律神経は、活動的になるように働きかける「交感神経」と、リラックスさせる「副交感神経」のバランスによって制御されています。
しかし、春先は急激な温度差により交感神経と副交感神経が一日のうちに何度も切り替わるため、臓器に大きな負担がかかり、体にさまざまな不調が現れます。
【自律神経の働き】
体温調節 | 気温の変化に応じて、発汗や血管の収縮・拡張を調整 |
消化器系 | 食欲や消化活動の調整 |
心血管系 | 心拍数や血圧の調整 |
代謝機能 | エネルギー消費と蓄積のバランス維持 |
自律神経の乱れを引き起こす要因
自律神経の乱れを引き起こす要因には、「自然環境の変化」と「生活環境の変化」があります。
自然環境の変化
- 急激な気温や気圧の変化
- 花粉・PM2.5などアレルギー物質の増加
- 日照時間の変化による体内時計の乱れ
生活環境の変化
- 新生活のスタート
- 運動不足や不規則な食事
- ストレスの蓄積
春は不安定な気候、アレルギー物質の飛散により、体調を崩す方が多くなります。
また冬から春にかけての日照時間の変化により早朝に目覚める、転勤などによる引越しや新しい職場でのプレッシャーなど、生活環境のストレスが蓄積されやすい時期です。
さらに、冬場は寒いために運動不足にもなりやすく、年末年始の暴飲暴食なども影響し、春にかけて自律神経を乱す要因になります。

春バテ予防と対策
春バテの症状は人によってさまざまですが、その原因の多くは自律神経の乱れにあります。
日々の生活習慣の見直しとセルフケアで、春バテを予防・対策しましょう。
規則正しい生活
体調管理の基本は規則正しい生活リズムです。
特に春は環境の変化が大きい季節のため、規則正しい生活リズムを心掛けることが、重要なポイントとなります。
朝の過ごし方
毎朝同じ時間に起床し、カーテンを開けて日光を浴びましょう。
朝食は起床後30分以内にとるようにし、食後は軽い体操やストレッチで体を目覚めさせてください。
外出時は上着を持って、気温の変化に対応できるようにすることをおすすめします。

日中の過ごし方
日光を浴びる時間を確保し、昼食は12時から13時の間にとるように心掛けましょう。仕事や家事の合間に短い休憩を入れ、疲労やストレスは溜め込まないように調整しましょう。
夕方以降の過ごし方
夕食は就寝の2~3時間前までに済ませ、最低でも7~8時間の睡眠時間を確保しましょう。
体内時計の乱れを防ぐため、21時以降は強い光を避け、就寝1時間前からはスマートフォンやパソコンの使用を控えることをおすすめします。
バランスのとれた食事
春バテ予防には栄養バランスのとれた食事をとることが欠かせません。以下の栄養素を意識的にとり入れることで、健康的な体づくりが目指せます。
ビタミンB(疲労回復)
- うなぎ・豚肉
- 玄米
- レバー・卵黄
- 緑黄色野菜
ビタミンC(免疫力向上)
- いちご・キウイ
- ブロッコリー・パプリカ・新じゃがいも
たんぱく質(体力維持・回復)
- 肉・魚類(さば・さんま)
- 納豆・チーズ・豆腐
- 卵

食物繊維(腸内環境改善)
- 旬の野菜
- 海藻、・キノコ類
- 雑穀・玄米
食事のとり方で一番大切なポイントは、一日三食を規則正しく摂取することです。野菜や肉、魚などをよく噛んでゆっくり食べ、食べる量は腹八分目を心掛けてください。
入浴で体を温める
入浴は体を温めるだけでなく、自律神経のバランスを整える効果があります。以下を意識して入浴しましょう。
- 38~40度のぬるめのお湯に20分程度つかる
- 半身浴で血行を促進し、疲労回復を促す
- 入浴前後の急激な温度変化を避ける
- 就寝1~2時間前に入浴する

入浴前後の急激な温度変化を避けるため、脱衣所や浴室を事前に温めておきましょう。そして、水分補給を忘れずに
おこない、湯冷め防止のために室温や気温に適した寝間着を着ることが大切です。
適度な運動習慣
軽い運動を継続的におこなうことで、自律神経のバランスを整えることができます。高齢者の方は、ウォーキングやストレッチなど、無理のない運動から始めるのがおすすめです。
ウォーキング
一日20~30分程度のウォーキングで、心肺機能や足腰を鍛えることができます。姿勢を正して腕を大きく振り、リラックスして歩きましょう。
ストレッチ
朝晩に5~10分程度、肩回し・首のストレッチ・腰のひねり運動・ふくらはぎのストレッチなどで固まった筋肉をほぐしましょう。
軽い筋トレ
スクワット(5~10回×2セット)、踏み台昇降(5~10回×2セット)、壁押し伏せ(5~10回×2セット)などをご自身の体調に合わせておこないましょう。
筋トレ未経験の方は、最初は5回1セットずつなど少ない回数から始め、徐々に回数を増やしていくのがおすすめです。
良質な睡眠
規則正しい生活に加え、春バテ予防には質のよい睡眠が欠かせません。以下のようなことに気を付けると、睡眠の質を向上させることができます。
- 寝室の温度を18~20度に保つ
- 就寝時間を決めて、体内時計を整える
- 就寝前はスマホを見ない
- 枕や寝具を整える
- 休日も平日と同じ時間に起きる
まとめ
規則正しい生活リズムを維持することで、自律神経のバランスが整い、春バテの予防につながります。
また、心身の健康維持のために十分な睡眠や適度な運動は重要な役割を果たすため、意識して春バテに負けない健康な体を目指しましょう。
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