日常生活動作(ADL)を向上させて自立した生活を維持しよう!
高齢者の身体能力や日常生活レベルを図るための指標として、日常生活動作(Activities of Daily Living:ADL)があります。
今回は、日常生活動作(ADL)について詳しくご紹介します。
目次
日常生活動作(ADL)とは
日常生活動作(ADL)は、個人が日常生活を維持するために最低限必要な活動を指し、その能力を評価するための指標です。
食事 | 食事の準備、摂取、嚥下などの動作 |
移動 | 車椅子の操作、移動補助具の使用、場所から場所への移動する動作 |
整容 | 歯磨き、洗面、ひげ剃り、化粧などの動作 |
トイレ動作 | トイレを使って排泄する動作 |
入浴 | 入浴やシャワーを含む、身体の清潔を保つ動作 |
歩行 | 自立して歩行する能力や介助を有して歩行する動作 |
階段昇降 | 階段の登り降りなどの動作 |
更衣 | 衣服を選び着脱する動作 |
年齢や健康状態の変化、身体的障害、疾患などによってこれらの活動をおこなう能力が低下する場合があります。
日常生活動作(ADL)の適切な評価と管理は、健康ケアの中心的な要素の一つとされています。
日常生活動作(ADL)の種類
日常生活動作(ADL)は、基本的日常生活動作(BADL)と手段的日常生活動作(IADL)の2種類に分かれます。
基本的日常生活動作(BADL)
基本的日常生活動作(BADL)は日常生活を送る上で必要な食事・身支度・トイレの使用(排便・排尿コントロール)・入浴など、基本的で最低限の動作の能力を示すものです。
一般的には日常生活動作(ADL)と同じく認識されています。
手段的日常生活動作(IADL)
手段的日常生活動作(IADL)は、個人が日常生活を自立して遂行するために必要な機能やスキルを指します。
基本的日常生活動作(BADL)より高度で複雑なスキルや認知機能が必要です。
手段的日常生活動作(IADL)には以下のようなものがあり、これらのスキルは、個人が自立して生活し、社会とのつながりを維持する上で重要となります。
電話 | 電話を使ったコミュニケーションなど、他人との連絡を取るためのスキル |
買い物 | 買い物の計画や予算管理、商品の選択など、必要な物品を購入するスキル |
料理 | 食材の買い物や調理、食事の準備をおこなうスキル |
家事 | 家の掃除や整理整頓をおこなうスキル |
洗濯 | 洗濯機を使った洗濯や衣類の手入れをおこなうスキル |
交通 | 交通手段の選択や使用、交通ルールの理解など、外出するためのスキル |
薬の管理 | 処方された薬の服用方法や飲み忘れを防ぐための管理スキル |
財務管理 | 予算立てや支払いの管理、銀行取引など、自分の財務を管理するスキル |
日常生活動作(ADL)低下の原因・影響・予防方法
ADL低下の原因
高齢者の日常生活動作(ADL)低下の原因を理解し、適切な予防策を講じて高齢者の生活の質を向上させることが重要です。
身体的な健康問題
老化による身体機能の衰え、慢性疾患や怪我、身体的な障害がある場合、日常生活動作(ADL)の実行能力が低下する可能性があります。
たとえば、高血圧・糖尿病・関節炎・筋肉量の低下・骨折などがあげられます。
認知機能の低下
認知機能の低下や記憶障害は、日常生活動作(ADL)に影響を与える可能性があります。
たとえば、自分の身の回りの状況や日常のスケジュール・薬の服用を管理することが難しくなり、安全や健康に関わる問題が生じる可能性が高くなります。
精神面・環境面の変化
高齢者が独り暮らしをしていたり、生活環境が変化したりすると日常生活動作(ADL)の実行に影響を与えることがあります。
たとえば、外出が減ることで行動範囲が縮小し、他者との交流が減るなど、精神面・環境面の変化により日常生活動作(ADL)が低下します。
ADL低下による影響
高齢者の日常生活動作(ADL)の低下による影響をご紹介します。
これらの影響は高齢者の生活全般にわたりますが、適切な支援や介護の提供により軽減できます。
- 身体的健康の悪化
身体的な活動量が減少し、運動能力が低下する可能性があります。 - 自立性の喪失
自分で身の回りの管理ができなくなる可能性があります。 - 心理的影響
自立性の喪失や活動制限により、高齢者は自己価値感や自尊心が低下する可能性があります。 - 社会的孤立
外出や社会活動が制限されることがあります。 - 安全性の問題
日常生活での事故や怪我のリスクが増加します。
ADLの予防方法
日常生活動作(ADL)の低下を予防するためには、以下のような方法が有効です。
定期的な運動
適度な運動は筋力やバランスを維持し、歩行能力を向上させるのに役立ちます。
ウォーキングや水泳などの有酸素運動や、筋力トレーニングを含む運動を定期的におこないましょう。
健康的な食生活
栄養バランスの取れた食事を摂取し、十分な水分を摂取することで、身体の健康を維持し、疾患のリスクを軽減します。
安全な生活環境の整備
家庭や居住環境での転倒や怪我のリスクを軽減するために、手すりの設置、床の滑り止めの使用、明るさ確保のための照明などの対策をおこないましょう。
定期的な健康チェック
定期的な健康診断や医師の診察を受けることで、早期に健康問題を発見し、適切な治療や管理がおこなえます。
この他にも、バランス感覚のトレーニングや口腔ケアなどADLの予防は多岐にわたります。高齢者ひとりひとりをしっかりと見守り、予防に取り組むことが大切です。
日常生活動作(ADL)訓練について
高齢者の日常生活動作(ADL)訓練は、高齢者が自立した生活を送るために必要な日常生活動作(ADL)の能力を向上させるプログラムです。
以下に、ADL訓練の主なポイントをいくつかあげます。
個別化されたプラン
高齢者の状態やニーズに合わせて、個別に設計されたプランである必要があります。
その人の能力や制限を考慮し、訓練内容を調整します。
機能訓練
ADL訓練では、具体的な日常生活動作(ADL)である食事・入浴・着替え・トイレ利用などに焦点を当てて訓練をおこないます。
それぞれの動作を練習し、技術を向上させることで、自立した生活をサポートします。
身体的なトレーニング
ADL訓練には、筋力トレーニングやバランストレーニングなどの身体的なトレーニングが含まれることがあります。
これにより、高齢者の身体能力を向上させ、日常生活での動作をより簡単におこなえるようにします。
認知機能のトレーニング
記憶や注意力を向上させる活動を取り入れることで、日常生活での機能が改善します。
まとめ
高齢者の日常生活動作(ADL)が低下すると、日常生活を自立しておこなう能力が低下します。
予防するためには、定期的な運動・認知機能の刺激や健康的な食生活に加えて安全な生活環境の整備などが重要です。
DSセルリアでは定期的な運動(機能訓練)、看護だけでなく、口腔ケアといったオーラルフレイル予防をおこなうことで、健康的な食生活の維持・改善にも取り組んでいます。
予防と訓練を継続しておこない、自立した生活を送るため能力の維持・改善に取り組みましょう。
日常生活動作(ADL)の維持・改善は「DSセルリア」で
当社では、訪問看護とリハビリ型デイサービスを提供しています。
「トータルリハセンター(TRC)」では、機能訓練などに加え、摂食・嚥下機能訓練や口腔清掃、口腔機能向上のためのプログラムなど多角的に日常生活動作(ADL)の維持・改善に取り組んでいます。
「DS訪問看護ステーション」では、病気や障害のある方が住み慣れた地域やご自宅でその人らしい暮らしができるよう、看護師や理学療法士・作業療法士などがご自宅に訪問して、その人にあった看護やリハビリテーションを提供します。
施設見学・ご相談は随時受け付けております
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DSセルリア株式会社では、東京・千葉エリアにリハビリ型デイサービス「トータルリハセンター」や訪問看護ステーションを設け、地域に根ざした「訪問看護・リハビリテーションサービス」を提供しています。
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