高齢者の顔のむくみは病気のサイン?むくみやすい原因や予防・ケア方法をご紹介
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朝や夕方に足や腕、顔などがむくんでいることはありませんか?
中でも、顔のむくみは人から見られる部位のため、気になる方も多いでしょう。むくみは若い方にも出る症状ですが、高齢者の場合は重大な病気の兆候の可能性もあるため注意が必要です。
今回は、むくみがおきる原因や予防・ケア方法についてお話しします。
目次
むくみとは?
むくみは「浮腫(ふしゅ)」とも呼ばれます。皮膚の下にある皮下組織に余分な水分がたまり、指で強く圧迫すると跡が残るような状態を指します。
長時間立っていたり、座っていたりしたとき、お酒を飲みすぎた翌日などに、手足や顔がむくんでいると感じたことがある方も多いでしょう。
むくみは時間が経つと消えていることがほとんどですが、顔のむくみが何日も続いたり、呼吸が苦しくなるような場合は、病気による可能性があるため早めに医療機関を受診しましょう。
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高齢者特有のむくみ
高齢者のむくみは、加齢や慢性的な運動不足、長時間同じ体勢で座り続けていることにより「慢性下肢浮腫(まんせいかしふしゅ)」という症状が生じやすいのが特徴です。
水分は重力に引っ張られていくため、一般的に膝下や足先がむくみやすくなります。寝たきりの方は常に背中側が下になっているため、背中や仙骨部にむくみが見られることが多いです。
むくみは心臓病や腎臓病など重大な病気のサインとして、現れている可能性もあるため、注意しましょう。
▼高齢者の足のむくみについて、原因や予防方法はこちら
むくみの症状とは?
むくみの症状は以下のようなものがあります。
いくつかあてはまる症状があれば、体がむくんでいる可能性があります。むくみチェックを試してみましょう。
- 手足が冷たい
- 頭痛
- 肩こり
- 首の痛み
- 倦怠感
- めまい・立ちくらみ
- 足のしびれ
- 頻尿
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むくみチェック
足のすねを指の腹で5秒間押してみてください。指を離してから10秒以上皮膚に跡が残っていたり、へこんだままの場合は、むくみがおきている可能性があります。
むくみがおきる原因
むくみがおきる原因について解説します。
病気によるもの
むくみは、以下のような病気の症状のひとつとして、生じている可能性があります。
病気によるむくみは、一過性ではなく数日間続いたり、むくみ以外の症状を伴うケースが多くあります。
- 心臓病(心不全)
- 腎臓病(腎不全)
- 肝臓病
- 肺高血圧症
- 甲状腺機能低下症
- 遺伝性血管性浮腫
- 栄養障害性浮腫
- 皮膚感染症
- アレルギー性浮腫
- 静脈性浮腫
- リンパ性浮腫
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心臓は、体内に血液を送り出すポンプのような役割をしていますが、加齢などによりポンプの力が弱まってしまうことがあります。心臓の機能が低下すると全身への血液循環が悪くなり、足首や足の甲などがむくむとともに、動機や息切れなどの症状が生じます。
また、腎臓病によるむくみは、顔やまぶたなどに現れやすいのが特徴です。
腎臓の機能が低下すると体内の水分や塩分をうまく排出することができなくなり、顔やまぶたのむくみとともに頻尿や尿が黄色くなる、泡立つなどの症状が現れます。
上記以外にも、食欲不振、体重の激しい増減などの症状がある場合は、すぐに医療機関を受診してください。
病気以外の原因によるもの
病気以外の原因として、塩分のとりすぎ、運動不足などのように食生活や生活習慣の乱れも考えられます。
みそ汁や漬物など塩分は日々の食事につきものですが、塩分の多い食事をとりすぎると血中の塩分濃度が高くなります。それを薄めるために体が水分をためこんでむくみなどの症状が現れます。また、お酒の飲み過ぎや運動不足などの生活習慣の乱れも、むくみの原因となります。
顔がむくむ原因
顔がむくんでしまう理由には以下のようなものがあります。
水分のとりすぎ
顔がむくむ原因として最も多いのが、水分のとりすぎです。
人は1日に2.5リットルほどの水分を排出しています。そして、排出される量と同等の水分を食べ物や飲み物から体内に取り入れる必要があります。
排出される量よりも摂取する量が多い場合は、体内の水分量バランスが崩れて顔にむくみが生じます。
特に、寝る前に多量の水分をとると、翌日に顔のむくみが発生しやすくなるため注意が必要です。
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お酒の飲みすぎ
アルコールには利尿作用があるため、飲みすぎると尿として体内の水分が排出され、アルコールの血液濃度が上昇します。体は血液濃度を低くしようと血管内に水分を取り込み、その一部が血管からあふれ出したものがむくみとして現れます。
塩分をとりすぎることもむくみの原因となるため、お酒と一緒に塩分の濃い食事を食べる習慣がある場合は、より注意が必要です。
運動不足
慢性的な運動不足になると、足の筋肉が衰え心臓へ血液を戻すポンプ機能が低下します。それにより、血液循環が悪くなり、足に血液が滞ることでむくみが生じやすくなります。
また、筋肉量が減ると体が冷えやすくなり、さらに血液循環が悪くなるという連鎖が起こります。
運動不足と同様に、睡眠不足も自律神経の乱れを引き起こし、血流が悪くなる原因となるので注意が必要です。
むくみの予防・ケア方法
むくみの予防方法や、ケア方法をご紹介します。
バランスのよい食事
1日3食の栄養バランスのよい食事、塩分を控えた食事を心掛けてください。
濃い味が好みの方は、ナトリウム排出作用があるカリウムを多く含む野菜や果物、海藻類などをしっかり摂取しましょう。
また、水分補給をする際は、利尿作用のあるコーヒー・緑茶・ウーロン茶などを控え、水・白湯・麦茶などを飲むことをおすすめします。
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生活習慣を整える
良質な睡眠もむくみ予防に有効なため、枕などの寝具や睡眠の姿勢に気をつかうことも大切です。
シャワーだけで済ませることが多い方は、浴槽に39~40度のお湯をためて、ゆっくり入浴する習慣を付けると、睡眠の質向上にもなりおすすめです。
適度な運動
血行が悪いとむくみが生じやすいため、ジョギングやウォーキングなどの有酸素運動をおこなうこともおすすめです。
特に、心臓に血液を送り返すポンプの役割を担う「ふくらはぎ」を使った運動がむくみ予防には効果が期待できます。
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一人での運動に自信がない方は、デイサービスなども活用しましょう。
セルリアが提供するリハビリ型デイサービス「トータルリハセンター」では、マシンを使った下半身のトレーニングなどもおこなっています。
マッサージ
全身に張り巡らされた血管と同様に、リンパ管は体内の水分の回収路として機能しています。しかし、リンパ管や静脈に回収されなかった水分が細胞の隙間に溜まるとむくみにつながります。今回は、顔のむくみを解消するリンパマッサージをご紹介します。
- 肩と首をゆっくり回す
- 耳の下から後頭部にかけて指で押す
- あごから耳、耳から鎖骨の中心へと優しく手でさする
- 肩の骨の付け根と鎖骨の間のあたりから、鎖骨の中心に向かってリンパを流す
まとめ
高齢者のむくみは、加齢だけでなく、生活習慣に由来するものなどさまざまな要因があります。生活習慣を見直すことで改善できるものは、少しずつ変えていきましょう。
しかし、動機や息切れなどむくみ以外にも症状がある場合は、心臓病や腎臓病、肝臓病など深刻な病気の兆候である可能性があります。
少しでも思い当たる症状がある場合は、早めに医療機関を受診しましょう。
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