デイサービスでできる認知症予防と効果的な6つのポイント
親や自分自身が高齢になってきたときに心配になる病気のひとつが認知症ではないでしょうか。
残念ながら認知症の多くは、治療方法が確立されておらず、予防や完治が難しい病気です。
そのため、認知症になる前段階で生活習慣を見直し、発症のリスクを減らすことが重要になります。
今回は、認知症予防の重要性や予防に効果的な6つのポイント、デイサービスでできる認知症予防などをご紹介します。
目次
認知症予防の重要性とは?
認知症とは、脳の認知機能が低下することにより、日常生活や社会活動全般に支障をきたしている状態のことです。
認知機能が低下すると、記憶力・言語力・判断能力などが鈍くなり、人とのコミュニケーションや外出が億劫になります。
認知症には複数の種類がありますが、最も多いのがアルツハイマー型認知症で、以下のような症状が現れます。
- もの忘れ
- 判断力・理解力の低下
- 不安・うつ症状
- 暴言・暴力
- 徘徊
- 失禁
外出をせず、家に引きこもるようになると、まず足腰が弱り、次第に体力や筋力なども低下していきます。
認知症の人の数は、65歳以上の5人に1人にもなるといわれ、誰でもなりうる可能性がある病気です。
生活習慣を見直すなどの認知症予防をおこない、心身ともに健康でいきいきとした生活を送りましょう。
認知症予防に効果的な6つのポイント
ここからは認知症予防に効果的な6つのポイントをご紹介します。
運動や食事などの日常生活を見直すことで、認知症の発症や進行を遅らせる効果が期待できます。
1. バランスのよい食事
毎日の食事からとる栄養は、体の健康や免疫力、脳の機能維持などに好影響を与えます。
特にたんぱく質は認知機能の維持に効果があるといわれており、不足すると認知症のリスクが高まる恐れがあります。
高齢者はたんぱく質の摂取量が不足している方が多いため、意識的な摂取を心掛けましょう。
また、いろいろな料理をバランスよく摂取することも、認知機能低下のリスクを抑えるために重要です。
毎日同じようなメニューを食べている方は、食材や調理方法を見直すことをおすすめします。
2. 適度な運動
認知症予防には、ウォーキングなどの有酸素運動を、1日30分・週3回以上おこなうことが効果的といわれています。
運動習慣がない方は、近所を散歩する、エレベーターやエスカレーターを使わず階段を使ってみるなど、軽い運動からはじめてみましょう。さらに、ウォーキングをしながら数を数える、階段を上り下りしながらしりとりをするなど、軽く息がはずむ程度の運動と脳トレ(認知課題)を同時におこなう運動もおすすめです。
3. 他者とのコミュニケーション
他者との会話を楽しんだり、笑ったりするといった刺激が加わることで、脳内にドーパミンが放出され、記憶力や学習能力が上がることが期待できます。
また人とかかわることは、孤独感を軽減する効果もあります。
気軽に話せる相手が近くにいないという方は、地域の集まりやデイサービス、習いごとをはじめるなど、少しずつ交友関係を広げてみましょう。
4. 脳を活性化させる
ゲームや趣味の時間を持ち、脳を活性化させることは、認知機能の低下を予防する効果が期待できます。
以下のゲームや趣味がおすすめです。
- 囲碁・将棋
- パズル
- クイズ・ゲーム
- 楽器演奏
- 学習
- 絵画
- ゴルフ・ゲートボール
特に、ゴルフは点数や戦略を考えるゲーム性と運動の両面の効果が期待できるため、男女ともにおすすめです。
5. 生活習慣病を予防・治療する
生活習慣病の予防や治療も認知症予防に効果的だといわれています。
認知症とかかわりがある生活習慣病は、以下のようなものがあります。
健康診断などで指摘を受けている方は、生活習慣の見直しを心掛けてください。
- 糖尿病
- 脂質異常症
- 高血圧
- 脳卒中
- 脳挫傷
6. 聴力の維持
聴力は認知症と関連がないように思われる方は多いですが、聴力を維持することも認知症予防にとって重要です。
聴力が低下すると、脳に入る情報が少なくなり、脳細胞の活動が衰える可能性があるからです。
人と会話をしていても、聞こえないために会話が困難になったり、話が噛み合わなくなったりして、会話が苦手になる方もいます。
聞こえが悪くなってきたら、必要に応じて補聴器の使用を検討してみてください。
生活習慣と認知症の関係性
認知症全体の半数以上を占めるアルツハイマー型認知症は、糖尿病や高血圧などの生活習慣病が関係していると考えられています。
また、アルツハイマー型認知症の次に多い脳血管性認知症も、高血圧や脂質異常に起因して発症した脳梗塞や脳出血が原因によるケースが多いです。
塩分の多い食事は高血圧を招くリスクが高いため、塩分を控えた食事を心掛け、血中ナトリウムを排出する作用のある野菜や海藻などを積極的に摂取しましょう。
また、血糖値が上がる食事は糖尿病になるリスクを高めるため、お菓子や食パンなど糖分の多い食事のとりすぎには注意してください。
運動不足や夜更かし、糖質・塩分の過剰摂取や暴飲暴食などの生活習慣の乱れは免疫力を低下させ、生活習慣病のリスクを高めます。
これらの生活習慣を見直し、糖尿病や高血圧などの生活習慣病だけでなく、認知症予防にもつなげていきましょう。
デイサービスでできる認知症予防
デイサービスでは、認知症予防に効果的なプログラムをおこなっています。
定期的な健康チェック
デイサービスでは、通所者に健康チェックとして「意識・体温・呼吸・脈拍・血圧」の測定を必ずおこなうため、いつもと様子が違えばすぐにわかる仕組みがあります。
また、認知症の進行具合に応じて個別のケアプランを作成できるため、一人ひとりに合った認知症予防のプログラムを受けることも可能です。
専門的な運動プログラム
リハビリ専門職が作成した機能訓練プログラムや、専門的なマシンなどを使ったトレーニングをおこなうため、体力や筋力の維持向上が期待できます。
体を動かすことで、脳細胞も刺激されるため、認知機能の維持にも役立ちます。
介護が必要な方の運動施設としても対応しているため、体が不自由な方のリハビリにも利用可能です。
レクリエーション
デイサービスでは、レクリエーションを通して、通所者同士のコミュニケーションを促進します。
レクリエーションの時間には、さまざまなゲームや脳トレなどが企画されているため、楽しみながら脳を鍛えることができます。
ゲームが苦手な方のために、囲碁や将棋・手芸など、趣味の時間を設けている施設もあります。
口腔ケア
摂食・嚥下機能訓練や口腔清掃、口腔機能向上のためのプログラムがあるデイサービスもあります。
口腔ケアで口の機能を維持することは、誤嚥性肺炎を防ぐほか、食欲減退や栄養不足といった不安も解消でき、認知症の進行を緩やかにする効果もあります。
まとめ
認知症の発症には、糖尿病、高血圧、脳卒中などの生活習慣病が大きく影響します。
1日3食の栄養バランスがとれた食事や有酸素運動を中心とした適度な運動習慣を心掛けると、生活習慣病を防ぐことが可能です。
認知症を完治させることは難しいため、発症を遅らせたり進行を緩やかにしたりすることが重要です。
生活習慣を見直すとともに、デイサービスの機能訓練やレクリエーションを活用して認知症予防をはじめましょう。
デイサービスで認知症予防をお考えなら「DSセルリア」で
「トータルリハセンター(TRC)」は、リハビリ専門職(理学療法士・作業療法士)と歯科衛生士が、口腔と全身のリハビリを本気で取り組むデイサービスです。
機能訓練などのプログラムに加え、嚥下(飲み込み)訓練や口腔機能向上のためのプログラムを加えることにより、全身の健康の維持と身体機能の回復を目指します。
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DSセルリア株式会社では、東京・千葉エリアにリハビリ型デイサービス「トータルリハセンター」や訪問看護ステーションを設け、地域に根ざした「訪問看護・リハビリテーションサービス」をご提供しています。
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