70歳の歯の本数は平均何本?高齢者の口腔ケアの手順も解説

「70歳では歯が何本くらい残っているのが平均なのだろう」と気になったことはありませんか。歯の本数は、食事のおいしさだけでなく、全身の健康や生活の質にも深くかかわっています。
年齢とともに歯を失う方は増えていきますが、毎日の口腔ケアを続けることで、歯を長く保てる可能性が高まります。
今回は、70歳前後の平均的な歯の本数や歯を保つことが大切な理由、高齢者の口腔ケアの基本的な手順を解説します。
70歳の歯の本数は平均何本?
永久歯は親知らずを除いて28本あります。厚生労働省の「令和6年歯科疾患実態調査」によると、70〜74歳の1人平均現在歯数は21.3本と報告されています。同調査の年齢別の平均は、次のとおりです。
- 65〜69歳:23.4本
- 70〜74歳:21.3本
- 75〜79歳:19.5本
- 80〜84歳:19.1本
年齢が高い層ほど、平均現在歯数が少なくなる傾向がみられます。ただし、これはあくまで年齢階級ごとの平均値です。同じ70歳でも、歯の残っている本数には個人差があります。歯を失うことには、むし歯や歯周病をはじめ、日ごろの口腔ケアや生活習慣、お口の状態など、さまざまな要因が関係します。
出典:厚生労働省「令和6年歯科疾患実態調査結果の概要」P.18「表15.1人平均現在歯数」
「80歳になっても自分の歯を20本以上保とう」という8020(ハチマルニイマル)運動は、1989年に厚生省と日本歯科医師会が提唱した取り組みです。令和6年の調査では、75歳以上85歳未満で20本以上の歯を有する人の割合をもとに、8020を達成した人の割合は61.5%と推計されています。また、70〜74歳では72.1%が20本以上の歯を保っています。
出典:厚生労働省「令和6年歯科疾患実態調査結果の概要」P.19〜20「[3]現在歯の状況(8020達成者等)」

歯の本数を保つことが大切な理由
歯の本数は「噛めるかどうか」だけの問題ではありません。歯を保つことは、全身の健康や生活の質を維持することにもつながります。ここでは、歯の本数を保つことが大切な理由を紹介します。
噛む力と栄養状態を維持できる
歯を失って噛む力が弱まると、食べられる食品が限られ、やわらかい食事に偏りやすくなります。その結果、たんぱく質やビタミン、ミネラルなどが不足し、筋力や免疫力の低下につながることがあります。
しっかり噛めるお口を保つことは、低栄養や体力の低下を防ぐためにも大切です。かたいものを避けることが増えてきたら、しっかり噛めなくなってきているサインかもしれません。

オーラルフレイルと要介護状態になるリスクを低減できる
噛む・飲み込む・話すといったお口の機能が衰えた状態は、「オーラルフレイル」と呼ばれます。
オーラルフレイルが進行すると、十分な食事がとれなくなったり、人との会話や外出の機会が減ったりして、心身の機能が低下しやすくなります。その結果、身体的フレイル(加齢などにより体力や筋力が衰えた状態)やサルコペニア(筋肉量や筋力が低下した状態)を経て、要介護状態につながる恐れがあります。
日本歯科医師会の資料によると、オーラルフレイルに該当する高齢者は、そうでない高齢者に比べて、身体的フレイルやサルコペニアの発生リスク、要介護認定や死亡のリスクがいずれも2倍以上高いことが報告されています。
出典:日本歯科医師会「オーラルフレイル対策のための口腔体操マニュアル(歯科診療所におけるオーラルフレイル対応マニュアル2019年版)第I部」
歯の本数を保ち、お口の機能を維持することは、オーラルフレイルを防ぎ、将来の要介護リスクの低減にもつながると考えられています。
高齢者の口腔ケアの手順
歯の本数を保つ基本は、毎日の口腔ケアです。ここでは、ご自身でおこなうケアはもちろん、ご家族さまを介助する際にも役立つ基本的な手順を紹介します。
また、口腔ケアがなぜ必要なのか、目的やメリットは以下の記事で解説しています。
毎日の口腔ケアの基本手順
基本の流れは次のとおりです。
- うがいをして、お口の中の食べかすを洗い流す
- 歯ブラシを小刻みに動かしながら、歯を1本ずつ磨く
- スポンジブラシなどで、頬の内側や歯ぐきなどの粘膜をやさしく清掃する
- 舌用ブラシなどで、舌の汚れ(舌苔)を奥から手前へやさしく取り除く
- 仕上げのうがいをする

歯ブラシはヘッドが小さめのものを選ぶと、奥歯まで届きやすくなります。また、力を入れすぎると歯ぐきを傷めることがあるため、鉛筆を持つように軽く握り、小刻みに動かしながらやさしく磨きましょう。
特に、歯と歯ぐきの境目や奥歯のみぞは磨き残しが出やすい部分です。歯間ブラシやデンタルフロスも組み合わせると、お口の中をより清潔に保ちやすくなります。
高齢者の歯磨きのコツは、以下の記事で解説しています。
誤嚥を防ぐ姿勢のポイント
介助が必要な方の口腔ケアでは、姿勢にも気を付けることが大切です。顎を引いて、ややうつむき気味の姿勢にすると、水分がのどへ流れ込みにくくなります。ベッド上でおこなう場合は、上体を30度以上起こし、使用する水分量は最小限にすると、誤嚥の予防につながります。
また、口腔ケアの際は、お口の中に傷や乾燥、入れ歯の当たりによる赤みがないかもあわせて確認すると、小さな変化にも早く気付くことができます。出血が続く場合や痛みが強い場合は、無理にケアを続けず、歯科医院へ相談することが大切です。

トータルリハセンターの口腔ケア


セルフケアに加えて、歯科衛生士などの専門職によるサポートを受けることで、お口の健康をより維持しやすくなります。DSセルリアが運営するトータルリハセンターでは、歯科衛生士が在籍し、口腔ケアの指導・実施をはじめ、唾液腺マッサージなどの口腔体操や、嚥下機能(飲み込む機能)の維持・向上を目的とした口腔リハをおこなっています。
実際の流れは事業所によって多少異なりますが、基本の流れは次のとおりです。
- 歯科衛生士による個別の口腔ケアの指導・実施
- 口腔体操・嚥下体操(唾液腺マッサージなど)
- 呼吸や発語の訓練を兼ねた音読や歌
定期的に通うなかで歯科衛生士がお口の状態を継続して確認できるため、ご自身では気が付きにくい変化にも早めに対応しやすくなります。また、トータルリハセンターでは、お口の状態の確認や口腔ケア、機能訓練を通して、お口の健康維持をサポートしています。むし歯や歯周病などの治療については歯科医院でおこなうため、歯科医院での定期的な検診とあわせてご利用いただくことをおすすめします。
「最近噛みにくくなった」「食事中にむせることが増えた」と感じている方や、高齢のご家族さまのお口の健康が気になる方は、お気軽にご相談ください。
まとめ|70歳の歯の本数は平均21本、毎日のケアで長持ちさせよう
70〜74歳の歯の本数は平均21.3本で、8020運動の広がりとともに、多くの歯を残している高齢者は増えています。歯の本数を保つことは、しっかり噛んで食事を楽しむことはもちろん、栄養状態の維持やオーラルフレイルの予防にもつながります。毎日の歯磨きに加えて、粘膜や舌の清掃まで取り入れ、お口を清潔に保つことを心掛けましょう。
トータルリハセンターでは、歯科衛生士による口腔ケアや口腔リハに加え、身体機能の維持・向上を目的とした機能訓練にも取り組んでいます。お口の衰えが気になる方は、施設見学やご相談を随時受け付けていますので、お気軽にお問い合わせください。
専門家による口腔ケアのサポートは「DSセルリア」
当社では、訪問看護とリハビリ型デイサービスを提供しています。
「トータルリハセンター(TRC)」では、マシンを使った機能訓練などに加え、摂食・嚥下機能訓練や口腔清掃、口腔機能向上のためのプログラムなど多角的に日常生活動作(ADL)の維持・改善に取り組んでいます。
「DS訪問看護ステーション」では、病気や障害のある方が住み慣れた地域やご自宅でその人らしい暮らしができるよう、看護師や理学療法士・作業療法士などがご自宅に訪問して、その人に合った看護やリハビリテーションを提供します。
施設見学・ご相談は随時受け付けております
ご自宅での介護に関してお困りのことがございましたら、どうぞお気軽にお問い合わせください。
DSセルリア株式会社では、東京・千葉・神奈川エリアにリハビリ型デイサービス「トータルリハセンター」や訪問看護ステーションを設け、地域に根ざした「訪問看護・リハビリテーションサービス」を提供しています。
また介護従事職にご興味のある方も、お気軽にお問い合わせください。

